IARはルネサスRA8シリーズのフルサポートでAI/ML開発を加速

スウェーデン・ウプサラ、2023年10月31日 - 組込み開発向けソフトウェアおよびサービスの世界的リーダーであるIARシステムズ株式会社（本社：スウェーデン、ウプサラ市、日本法人：東京都千代田区、代表取締役社長　原部和久）は、IAR Embedded Workbench for Armの最新バージョンにおいて、ルネサスRA8 MCUのサポートをシームレスに統合したことを発表しました。今回のアップデートにより、最先端のArm Cortex-M85ベースのRA8デバイスが幅広くサポートされます。

主なハイライト

最新のデバイスサポート：IAR Embedded Workbenchは、ArmのHeliumテクノロジーを採用したArm Cortex-M85プロセッサを搭載したルネサスRA8 MCUの機能を開発者に提供します。

セキュリティの強化：PACBTI（Pointer Authentication and Branch Target Identification）拡張機能は、コードとシステムの整合性を保証し、セキュリティを強化します。

AIとMLに対応：ArmのHeliumテクノロジーとIAR Embedded Workbenchの最適化により、開発者は人工知能（AI）、機械学習（ML）、デジタル信号処理（DSP）の強力なアプリケーションの構築をすぐに開始できます。

強力なパートナーシップ：IARがRA8 MCUのサポートを迅速に統合できたのは、IoT、コンシューマ、産業用アプリケーションなど、多様なシステムにまたがるルネサスとの長年のパートナーシップのおかげです。

ルネサスのRA8シリーズMCUは、Arm Cortex-M85プロセッサと、DSPおよびAI/ML機能を強化するArmのHeliumテクノロジを初めて搭載し、最初のデバイスであるRA8M1グループの量産出荷を開始しました。RA8 MCUは低電圧で駆動し、さまざまな低消費電力モードを備えています。バッテリー・バックアップ機能付きのRTCモードでは、消費電流が0.5µAまで低下するなど、卓越した効率を誇ります。6.39Coremark/MHzという驚異的な性能を誇るこれらのMCUは、現在入手可能な中で最高クラスの性能であり、これまでマイクロプロセッサ（MPU）を必要としていたアプリケーションに潜在的なユースケースを拡大します。RA8シリーズは、高度な暗号アクセラレータ、TrustZone、耐タンパー機構など、トップクラスのハードウェアおよびソフトウェアベースのセキュリティ機能を搭載しています。

IAR Embedded Workbench for Arm は、セキュリティを強化しながら組込み開発を加速するための包括的な開発ツールチェインです。これは、高度に最適化された IAR C/C++ コンパイラと、コード解析ツール IAR C-STAT および IAR C-RUN によって促進される高度なデバッグ機能を含んでいます。最新リリースでは、PACBTI拡張機能をサポートし、リターン指向プログラミング(ROP)とジャンプ指向プログラミング(JOP)に対する強固な防御を提供することで、悪用可能なソフトウェアの脆弱性を排除します。

ルネサスプロダクトマネージャであるAndy Beeson氏は次のように述べています。「ルネサスRA8の高性能で信頼性の高いセキュリティ機能を活用するためには、IAR Embedded Workbench for Armのような強力な開発ツールが不可欠です。IARシステムズは、ルネサスのツールエコシステムにおいて信頼できるパートナーであり、お客様はRA8 MCUベースの設計を迅速に開始することができます」

IARのCTOであるAnders Holmbergは、次のように述べています。「業界で初めて、新しいルネサスRA8シリーズの完全なツールサポートを提供できることを嬉しく思います。RA8MCUは卓越した性能とセキュリティを実現しており、当社のツールは、組込み開発者がAIやMLアプリケーションでこれらの機能を十分に活用できることを保証します」

ルネサスRA8だけでなく、8,700以上のArmデバイスをサポートする IAR Embedded Workbench for Armの詳細をご覧ください。